廃プラスチックを再利用して「クリップ」を作ってみました

廃プラスチックの再利用プロジェクト第3段です!
21年8月13日のブログでご紹介したクリップから引き続き、本の栞(しおり)として使えたり、書類を挟めたりできる「クリップ」を作成してみました。
完成形はこちら。

 

 

 

 

 

単純な形状ですが、自分たちで構想から設計、加工、製作、試作といった経験をするという
人材育成の目的も兼ねていますので、これでOK!

構想

大新産業では、毎日の朝礼で本(職場の教養)の輪読をしています。
輪読で使えるおそろいの栞が欲しいと思い、クリップ形状の栞を製作することにしました。
扱いやすい大きさのものをイメージし、ギターのピックのような形状にしました。

製作スタート

金型を再利用し、今回のクリップは「入れ子」駒として製作します。

製作過程は以下になります。
① 作図
② 駒加工
③ 試作

① 作図

Φ4のエンドミルで加工できるように設計しました。
工具の種類を少なくできれば、製作効率が上がります。
実際に紙を挟めるか、肉厚が厚すぎて使いにくくないか、といったことに配慮しながら作図します。

②駒加工

駒材は「プリハードン鋼NAK55」にしました。
高い硬度と被削性(切削加工のしやすさ)に優れた鋼材で、金型用の材料として多く活用されています。

加工の流れは以下です。
<加工の流れ>
1.穴あけ加工(汎用フライス)⇒2. 形状彫り(NCフライス)⇒3. 仕上げミガキ

「穴あけ加工」は、大分工場で行いました。

穴あけ

 

 

 

 

 

 

「形状彫り」は、NCフライスで加工するのですが、大分工場にはNCフライスがないので、
茨城工場へ駒を送り、製作しました。
NCフライスというのは、プログラムを入力すれば自動で加工してくれる機械です。

NCフライスを使って、クリップの形状を駒に加工していきます。

 

駒の完成

切削跡を磨いて完成です。

駒加工

 

 

 

 

 

いざ試作!

試作したところ、以下に気づきました。

① 実際に紙を挟んでみたところ、紙の枚数が増えると挟み難い
②「オレンジ色」のリサイクル材で製作したが、色味が強く何となくオシャレじゃない

 

 

 

 

 

 

実際に形になって気づくことは多いですね。
これに対し、以下の対策を行いました。

① クリップ形状を再検討し、紙を挟む箇所の根元に丸穴(Φ3)を設ける
② 材料を着色する
色がついた廃プラスチックがなかったので、半透明の粉砕材を水性ペンで着色することにしました。
水性ペンを用いて、樹脂を上から叩いたりして、なるべく均等に樹脂に色が付くように、着色しました。
色は赤と青。

  

 

 

 

 

 

完成!

良い感じの仕上がりです。
根本の開き量が拡がり、紙の枚数が増えても挟みやすくなりました。
色味も少しポップになりました。
栞や、クリップとして社内で活用しています。

 

 

 

 

 

 

 

廃プラスチックを使って、こういったオリジナルな製品を作るには、「製品設計」、「商品開発」など、
弊社ではまだ取り組んだことのない分野にチャレンジしていく必要があります。
簡単なモノの製作から少しづつ経験を積んでいくことが大切になります。

持続可能な美しい社会をつくっていくため、我々も知恵と工夫で廃プラスチック削減に積極的に取り組んでいきます。

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